2020年 女性声優論

大仰なタイトルをつけたけど、映像制作現場をうっすら見渡せるようなところに20年くらいいるので少し書いてみようと思う。

 

現代の女性声優は大別すると3つのスタイルに分かれていると思っていて、すなわち

  • 万能型
  • アイドル型
  • ほわほわ系
  • かっこいい系

 

この4つだ。最初に3つって書いたけど、本質的にはほわほわとかっこいいは対極にあるようで求められてることは同じだと思うのでほわほわ/かっこいいで系統としては1系統でいいんじゃないかな。メラとヒャドが同系統的なダイ大みたいなことです。

 

女性声優で天下とったと思う人たちはだいたい万能型だとは思うけど、ときどきその演技力や存在感を凌駕するようなほわほわかっこいいやアイドルがでてくることで業界全体が活性化しているのではないかと思う。

もちろん、完全に分けられてるわけではなくて被ってるって感じるような人もいるけど、この3つが目指すべき目標になってるように思える。専門学校とかで何を目標にとかをどう教えてるかよく知りませんが。

 

で、これとは完全別系統に少年型ってのと歌手ってのが小さい枠として存在していて、これはあまりにも特殊事例なので今回はパス。少年のほうは男性声優の声が年々高くなってきていてそっちに役を奪われている気もしています。

直近ではグループメンバーというのも分別したほうがいいのかもしれないけど、これを系統とするのは時期尚早かもしれない

 

それぞれの系統でその世代の頂点にいると思う人を挙げていってみます。あんまり昔はよくわからない。

 

・万能型について

いわゆる正統派でこれを系統として分別するのは少しせこい感じはするけど、演技力も役幅も活動もバラエティに富んでいる人たち。これがやはり芸能の世界では王道だと思う。

 

---> 戸田恵子 ---久川綾 --- 林原めぐみ --- 朴璐美 --- 生天目仁美 --- 桑島法子 ---  沢城みゆき --- こっから下がぱっと思い浮かばないけど、日笠陽子とか東山奈央とか。

 

この系統は年を重ねるごとにライバルが減っていって、40くらいの時点では同世代に敵はいないみたいな感じになってると思う。

 

 

・アイドル型について

最初がどのあたりかよくわからないけど、椎名へきるがでてきたくらいで確実に万能型から分岐してて

活動だけでなく演技のほうでも偶像性が強く、特殊な声の需要がどの時代も一定数あるため、少し面白い声の若い人はこっちに寄せられる売られ方をされてしまって、本人のやりたいこととはずれていってしまうこともあるのかもしれない。

時代によってはこっちが女性声優全体の頂点だった時期もあるとは思う。

--- 富永みーな--- 國府田マリ子---椎名へきる --- 田村ゆかり/堀江由衣 ---  釘宮理恵 --- 30代でこれに分別できそうな人が思い浮かばない(井口裕香--- 平野綾このあたりかなぁ)・・・ --- 小倉唯---

 

もうお金を稼ぐ手段としては確立された系統だと思うので、これから先もこういう売り方は続いていくと思う。

 

 

・ほわほわ

声質はほわほわ系で役は姫とか妹とか多めなんだけど、ときどき男の子やかっこいい役をやるときの声がすごい素敵だと思う。

そのせいか役幅は万能より広い人が多い印象。


---日高のり子 ---井上喜久子 ---遠藤綾--- 能登麻美子 --- 花澤香菜 --- 茅野愛衣 --- 早見沙織 --- 

 

正統ヒロイン的にはこっちの系譜のほうが万能より古いような気はします。

 

・かっこいい

かっこいい声の人が、かわいい系を演じることがあまりないような気はしてる。そういう使われ方になってしまうのは少し残念だと常日頃思っている。ただあいさつしていただく声もかっこいいのです。

---榊原良子 ---田中敦子 ---高山みなみ ---  緒方恵美 --- 小林ゆう--- 伊瀬茉莉也---

かっこいい男性キャラは、男性声優が本来はやればいいところを、女性声優が演じるところに作品の面白さがあったりすることもあって、そのギャップが作品に花を添えているのかもしれない。需要はあるけどそれほど多くない。

一度かっこいい系に分類されてしまうと、なかなかかわいい役がやってこないのかもしれないですね。この系統が一番色分けがはっきりしていると思う。

 

 

こういう分類してなにが楽しいのかわからなくなってしまった。売れてる人はすごい人が多いし、まじめな人が多い印象。

ただ名前を羅列しただけになってしまったけど、男性声優との対比でもしたほうがおもしろいのかな・・・?

あとこの人たちを組み合わせた作品はなぜか売れるとかそういうのもある。